コツコツ。コツコツ。









かごめが歩くたび、堅いローファーの底が音を立てる。








『なぁ、かごめ。どうしておまえはいつも変な履き物を履いてるんだよ』



犬夜叉がかごめに尋ねた。




『これはローファーっていってね、中学生や高校生が履いているものなの。
別に変な物じゃないわよ。どうしたの？』




 

『いや・・・・・。お前の履き物、いつも変な音がするな～と思って』




『いいじゃない、別に。もしかして、うるさかった？』
 

少し心配そうな顔でかごめが問いかけた。








『いや、そんなんじゃないんだ。』




 

犬夜叉がもごもごと口を動かして、こう言った。



 

『分かりやすいな～と思って』
















『え？どういうこと？』



かごめは不思議そうに犬夜叉を覗きこむ。

















『おれ、鼻以外に耳もいいだろ？』


 

『うん。』
 

『その音もあるから、俺はおまえが離れていてもどこにいるか分かるんだぜ。』


























 

２人の足元に、小さな白い花が１輪、咲いていた。